それぞれの価値観

人は40代を越えると「それぞれの価値観」が出来上がってきます。人はその価値観に基づき「あれが好き、あれは嫌い」「こうすべき、ああすべき」「変えるべき、変えぬべき」といった思いが生まれ、それが日々の行動につながっていきます。

 
こういった「出来上がった価値観」は、人が長年かかって、人の内部で作り上げられたものだから、それを外部要因(上司の命令とか、妻の文句とか?笑)によって簡単に変えられるものではないものだと思います。
 
この「40代や50代の価値観」が、他人から見たときの「がんこさ」であると思います。よく「がんこおやじ」って言いますが、これって年を重ねて出来上がった価値観の結晶みたいなものではないでしょうか。「がんこおやじ(がんこおばさん)」て、一般的に自分の行動をなかなか変えようとしない人と思われていますよね。なぜ変えないかというと、「出来上がった価値観」があるからだと思います。(ただし「がんこ」に変えていく、という価値観もありますから、がんこ=変わらない人、というわけでもありません)
 
このような価値観を持った(持ってしまった?)40代50代であるため、自分の仕事を進める上でも、その価値観にマッチしているかどうかで、仕事の取り組み姿勢が大きく変わり、その結果である、成果に大きく影響を与えることになると考えます。
 
もちろん、組織の中のすべての人に対して、価値観にマッチした仕事をアサインすることは実際にはできません。だからこそ、仕事をアサインする役割を持つ、組織のリーダーが「全員が価値観にマッチした仕事に就く」ことを目指して、日々努力していかなければなりません。
 
このことから、その会社その組織の中で、40代50代に対して一様に「同じような成果」を期待して「同じような振る舞い」をしなさいということがどれだけ「効率が悪いこと」であるかがわかると思います。しかし、このような一様な行動を求める会社、組織って結構あると思います。
 
だからこそ、組織のリーダーは、日々、部下の行動や言動、また部下との対話を通して、その人の持つ「価値観」の理解に努めることが、とても重要なことであると言えます。
 
実は、このことを一言で言えば「適材適所」であり、これは物事をうまく進める上での鉄則として昔から言われてきたことあり、あたり前のことといっても良いことです。にもかかわらず、この「適材適所」が、「組織の都合」によって忘れさられてしまうことが往々にして起こっているのです。これは非常に残念なことだと思います
 
いまの時代、「組織の都合」を押し通し続けていると、会社の存続さえ危うくなってきます。だからこそ企業は「組織の都合」でなく、「市場の都合」で動かなければならないと思っています。